しばらくその気まずい沈黙が続き、私がしびれを切らして反論しようかと思った時でした。 尚仁様がふわっと私を抱きしめて、 「…すみません あなたは何も悪くないのに、八つ当たりですね… 誰にも見られることなく仕舞っておきたいようなあなたばかりを、どうしてよりによって頭中将に見られ聞かれてしまうのでしょう。 前世からの深い縁があるのではないかと心配になるのです」 と仰いました。