平安物語【完】




昨日の夜に産気づかれて、今日の陽も傾き始めてしまいました。

これ以上長引かれては…と嫌な考えが押さえきれず、もう泣き出さんばかりです。


その時でした。


一人の男が弘徽殿の簾の前に走ってやって来て、

「麗景殿女御様、女宮様をお産み奉りあそばしました!!!!!

母子共にお健やかとのことにございます!!!!!!」

と声を張り上げました。