―すやすやとお休みになる尚仁様の寝顔を拝して、やはり私にはこの方しかいないと思いました。

体を寄せれば抱き締めてくださる、この腕の中でしか生きられない。


万が一、頭中将殿の横恋慕が本気のものであったとしても、私さえこの気持ちをしかと持って拒み通せば、何とでもなりましょう。

我が身は自分で守ってみせます。