翌朝、乳母が私の所へ来るやいなや、 「なるべく早く、内裏へ戻りたい。」 と伝えました。 乳母は驚いたような顔をしましたが、にこっと微笑んで「了解いたしました。」と言い、そのまま再び部屋を出て行きました。 昨夜寝ないで考え込んだ結果、兎にも角にも、尚仁様のお側に行って安心したくて仕方がなくなってしまったのです。 内裏へ戻れば、頭中将殿との接点も無くなるだろうと思いました。