伝言を伝えた弁が、頭中将殿と話しながら頬を赤らめて微笑んでいるのが見えます。 ――こんなものを寄越しておいて、その口で弁に何を囁いているのやら。 私はもうそのまま文を破り捨ててしまいたい想いでしたが、人の目についたらと考えて、仕方なく文箱に仕舞ったのでした。