辺りが暗くなってきた頃、弁に文が届けられたようでした。 それを受け取った瞬間、弁の表情はぱあっと明るくなり、いそいそと返事を書いてお使いの者に渡しました。 そして弁が振り返った時、しっかりと目が合ってしまいました。 気まずくて私が軽く微笑むと、弁は顔を真っ赤にして俯いてしまいました。 ――もしかして、頭中将殿と… そう思った私は、 「あの夜から?」 と問いかけました。 すると俯いたままコクンと頷くので、こちらへ呼び寄せました。