父上の冗談に笑ったり談笑していると、私の所ではない女房がやって来ました。 「殿、東宮様の御使者で…」 その女房は父上に小さな声で申したのですが、そこまでは漏れ聞こえました。 ―…尚仁様の御使者なら、まず私に御文が来るはずなのに…。 そう思っていると、庭にその御使者がいらしたようで、父上は庭へ出て行きました。