平安物語【完】




女房が襖を開けてくれて私が足を踏み入れると同時に、尚仁様が早足で近づいていらっしゃいました。

「女御…」

「宮様御懐妊の由、伺いました。

お喜び申し上げます。

宮様は何分まだ幼くていらっしゃいますので、何かと心配です。

私も何かお力になれると良いのですが。

そのように取り計らってくださいませ。」

口を開いた尚仁様を無視して、にっこりと微笑みを浮かべてそうまくし立てました。