平安物語【完】




バチンと、弦が切れました。

さわさわと女房が反応する気配がしますが、「大事無い。」と言って制しました。


―そう、宮様は一夜で身ごもられた。

梅壺殿は、一年。

私は…誰よりも早く入内して以来誰よりも多くお仕えしているのに…

気配すらない。