平安物語【完】




その時、目を赤くした女房が入ってきました。

「東宮様より、今宵もお召しにございます。」

「…まぁ。」

宮様が入内なさって以来、二日続けてのお召しはありませんでした。

私と宮様が同じくらいの頻度でお召しを受け、他の方々もそれなりに召されていたからです。