その時になってやっと、私は宮様の事を思い出しました。
そして私の心に、醜い嫉妬心が微かに燃え始めたのです。
「先ほど、麗景殿の宮様にお目にかかりました。」
「知っている。」
素っ気ないお言葉に、少しむっと致しました。
「とてもお可愛らしい方でいらっしゃいますのね。
あどけなくていらっしゃる中に、宮様らしい気品もおありで…きゃっ」
意地の悪い私の言葉に、尚仁様は私の脇腹を支えて仰向けになりました。
必然的に私は尚仁様と向かい合う形で宙に浮き、はだけた胸元がとても恥ずかしいことになってしまっています。

