そのまま御帳台の中へ入り、優しく下ろして頂きました。 私は尚仁様に合わせる顔がなく、横を向き袖で顔を隠しながらまだ泣いていました。 「女御、顔を隠さないで。」 尚仁様がそう仰いますものの、私は耳を貸しもせず悲嘆にくれていました。 すると 「…頭の中将には見せられて、私には見せられないのですか。」 と苦しそうな声で仰います。 はっとして顔を上げますと、苦笑なさる尚仁様と目が合いました。