その時御寝所の襖がさっと開いて、くつろいだ姿の尚仁様が出ていらっしゃいました。 貴公子は慌てて「東宮様、たった今…」と言い、女房達は「ま…」と声にならない歓声をあげました。 そのままこちらへ歩いていらっしゃり、不意に私を抱き上げなさいます。 その時―驚いて扇を落としてしまいました。 自然と扇を目で追うと…同じくこちらを見ていた貴公子と目が合ってしまい…