平安物語【完】




「でも…」

尚も堪忍しかねるという様子で、あちらの若い女房は話し続けようとしますのを、
「母君の事を思い出して泣いてしまわれた宮様を、弘徽殿女御様がお慰めくださったのです。」

と、より凛とした声で遮りました。

するとさすがにその女房も口を閉じ、他の女房達は決まり悪そうな顔をして目を背けています。

それを見たこちらの女房がこれ見よがしにクスクス笑うので、咳払いをして黙らせました。