平安物語【完】




私が急いで「弁。」と静かに制すと、弁の君はぐっと堪えたように俯き、私の後ろに移りました。

弁解するのも見苦しい気がして黙って立っていると、あちらの女房達は、これ見よがしに、宮様を案じる言葉を囁き合います。


その時

「およしなさい、見苦しい。」

という声と共に例の乳母殿が出て来ました。