平安物語【完】




「宮様は…?」

と、あちらの女房が小声で囁き合っているのが聞こえたので

「泣きつかれて、眠ってしまわれました。」

と何気なく言いますと、あちらの空気が一気に変わりました。


「宮様をお泣かせなさったのですか!」

と一人の若い女房が立ち上がると、こちらで一番若い弁の君という女房もさっと立ち上がり「無礼な!」と睨みつけます。