平安物語【完】




「泣いても、良いのですか…?」

驚いたように、そう仰います。


「よろしいですとも。

さ、無理はなさらないで…」

そこまで申し上げた時、宮様が私の胸に飛び込んでいらっしゃいました。

そのままわんわんお泣きになります。

驚きながらも、宮様の美しい御髪を撫でながらなだめておりますと、泣きつかれた宮様はそのまま眠ってしまわれました。


その寝顔の無邪気で清らかなことと言ったら…

とても、温かい気持ちになりました。