平安物語【完】




ちらと、宮様のすぐお側に侍っている女房を見ました。

おそらくは宮様の御乳母でしょう。

その方は困ったような笑みを私に見せましたので、やはり姫宮は平生からこうなのだと察しました。


「そのような、もったいないことを…。

私なんて、まるでものの数にも入りませんわ。

それより、内裏の紅葉はいかがです?

宮様のご実家には、それは立派な紅葉がおありとお聞きしましたが…」

さり気なく話をすり替えると、宮様は少し切なそうなお顔をなさいました。