「突然お呼び止めしてしまって、申し訳ございません。
東宮様から女御様のお噂をたくさんお聞きしましたので、ついお会いしたくなってしまいまして…
乳母にこっぴどく叱られてしまいましたわ。」
そう仰って鈴の転がるような笑い声をお上げになる宮様に警戒心など抱ける訳もなく、つい私も笑い声を零しました。
「まぁお恥ずかしい…東宮様から私の噂を?
一体どんな事を仰っていらしたのでしょう。
嫌ですわ。」
苦笑しながらそう申し上げますと、宮様はお目をきらきらとさせて「まぁ、恥ずかしいなんてとんでもない!」と仰いました。

