入っていらした宮様を拝するべくゆっくりと顔を上げると、宮様は、お召し物が何かに引っかかってしまわれたのか、斜め後方を向いて立っていらっしゃいました。 そのため、宮様の小さく華奢なお身体の次に私が拝したのは―お顔ではなく―その、美しすぎる御髪― 真っ黒な絹糸をいっぱいによりかけたような美しく豊かな御髪が、お召し物の裾に溜まってもまだ溢れ出すくらいの長さ… それでも髪の端は切りそろえてあって、ふさふさと若々しい限り。 後ろを向くお顔にかかった御髪の、なんと見事なこと―