今は尚仁様に背を向けて、髪を梳いて頂いております。
「本当にさらさらと、美しい御髪よ…」
お慕いする殿方にこんな事を言われて、赤くならない女子がおりましょうか。
ぽっと顔を赤らめていると、ぐっと体を後ろへ引かれて、再びすっぽりと尚仁様の腕の中へと収まりました。
尚仁様は私の肩に顎を乗せていらっしゃいます。
「愚かな女房達などが、私と麗景殿との事であらぬ噂を立てるかもしれません…
でもどうか、絶対に耳を貸したりなさらないでください。
私はあなただけを愛しているということは、私とあなたがよく知っているのですから。」
お優しく仰るそのお言葉に無言で頷くと、私の体に回された腕に少し力が入りました。

