平安物語【完】




するとまたにやりとお笑いになって、

「おやおや調子のよろしいことで。

さっきはあらぬ浮気を想像なさったでしょう?

全くあなたは邪推が激しいですね…まぁあなたの可愛い嫉妬なら、大歓迎ですが。」


などとおからかいになりながら、再び私の着物をさり気なく脱がそうとなさいます。


「まぁ嫉妬だなんて。

さあさ、もう行ってらっしゃいまし。

いえ、私が帰りましょうね。」

とツンと言い放って尚仁様のお手を軽く抓って立ち上がると、相変わらずのにやにや笑いのまま私を引き寄せ、熱い熱い口づけをなさいました。

私が真っ赤になって突っ立っていると、尚仁様は鼻歌交じりで私の身支度などしてくださいます。

畏れ多いことと拒もうにも、大人しくなさいと叱られてしまっているうちに、きちんと帰り支度が整ったのでした。