平安物語【完】




俯いたままの尚仁様の肩が、小刻みに震えていました…

私は縋るようにそっと肩をお抱きしました。

尚仁様は私の手を両手で包み、

「私が真実愛しいのはただあなただけなのに…姫宮が入内したら、私は…。

なんて情けない。

なんと無力な。

ただ一人あなたを守ることすらできない…!!」

ぐっと私の手を引き、広いお胸に抱かれました