「紅葉の上がお命を長らえてくだされば…この話は無くなります。」
「え…?」
思いがけないお言葉につい聞き返しますと、ちらと私の顔を見るもすぐに再び目を伏せて続けられました。
後ろめたさ…が、おありなのでしょうか。
「紅葉の上は、内親王というやんごとなきご身分を頂かれた上は、姫宮には生涯独身を貫いて欲しいとお思いのようです。
特に入内なんて気苦労の絶えない結婚は…
兄も本来なら結婚で悩み苦しんだりせず、穏やかな一生を送って欲しいと思っているようです。
ただ…まだ姫宮が幼くていらっしゃるうちに双親と別れ儚い身の上にするよりは、私に…と…。」

