平安物語【完】




「でも…姫宮は東宮様と血の繋がった姪でいらっしゃるのよ?

東宮様のようなお優しい方が、大切にせずにはいらっしゃれないでしょう。」

「まぁ、それは…」

「梅壺様と同等にお扱いになる訳にもいかないでしょうしね。」

「まぁ何はともあれ、比翼連理のお二方が引き裂かれるなんて有り得ないわ!

大丈夫よ、大丈夫!!」

「そう…よね!」

「そうよそうよ!」


不安になった女房たちは、無理に自分たちを励まそうとしているようです。


―私への信頼が、私には重い…