平安物語【完】




「ねぇ、聞いた聞いた?」

「何よ?」

「姫宮の御腰結いのことよ!

どなただと思う?」

「えー…東宮様?」

「それがね…帝なのよ!」

「「えーっ帝!?」」

「いくらお可愛くて仕方がないと言ったって、あんまりじゃなあい?」

「そうよねぇ。

凄い御後ろ見だわね。」


―帝が!?

なんという…この世の御寵愛という御寵愛を一身に集めていらっしゃる…

なんということなの…