平安物語【完】




―…読み終わった私の顔色は、真っ青だったことでしょう


―そういう事でしたのね…


何故倒れないのか不思議なくらいくらくらとめまいがして、気分が悪く口元を手で覆いました


―どうして読んでしまったの…

前にもこんな事があった?

いえ…あれ以上だわ。

私…かなわないわ…


そのお文を尚仁様側のおしとねの下に挟み、まんじりともせずに夜を明かして帰りました。


自室に帰った私はふらふらと倒れ込み、顔面蒼白になって駆けつけた乳母に介抱されて床につきました。