どれくらいになったのか、しばらくそのまま泣いていました。 これまでに溜まった不安や嫉妬、不満や疑いなど全て流れ去ってしまったかのようでした。 尚仁様の腕の中こそが、私の居場所―…そう思う程に安心しきっていたのでした。 ずっとこうしていられたら― 御殿にお帰しもせず、他の方々とお逢わせもせず、ただただこの弘徽殿で尚仁様といられたら― いえ…尚仁様と二人でいられるのならば、こんな内裏でなくとも立派な御殿と思えるのでしょうか…