―…弘徽殿へ帰っても、思い出されるのは今宵の事ばかり。 脇息にもたれて、赤くなったり口元が緩みそうになったりしながら尚仁様の事を考えていると、あっという間に夜が明けてしまいました。 朝の身支度をし、女房に髪を梳かせている時でした。 慌てた様子で見知らぬ女房がやって来て、乳母に伝言を頼んでいるようです。 すると乳母も慌てて私の座所へ上がってきました。