平安物語【完】



―あらまぁ、本当に控えめな…

私の誉め言葉を、上手く受け流していらっしゃるわ。

お筆跡も、さすがに優れたもの…

このお筆跡を、東宮様も見慣れていらっしゃるのね

お人柄が忍ばれるようだわ

梅の枝と共に贈るというのも、品の良いこと…


ため息が漏れるのは、賞賛の気持ちからだけではありますまい。

御息所殿の良い所を見るにつけ、鈍く心が痛むというのは、何とも悲しいことです…