「女御様?

御寝所にお入り遊ばしませ。」


立ったままでいた私に、ついて来ていた女房が促しました。


「え…ええ…。」

私の不安には、誰も気付いてはいないのですね…。


平静を装ってしずしずと入ると、そこには、1人の殿方が背を向けて座っていらっしゃいました。