心の乱れが表情に出ていたのか、東宮様が「女御?」と呼びかけられ、姫宮は私の顔を覗き込んでいらっしゃいました。 私は急いで表情を作り、 「そういえば、姫宮を弘徽殿へお連れして大丈夫なのですか? あちらの方々が嫌がらないでしょうか…」 と尋ねました。 すると 「いえ、私達は弘徽殿へ来た訳ではないのですよ?」 と姫宮のお手を弄びながらにやりと笑って仰いました。