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美保とのランチをして数日後、あたしは仕事後の一時を映画館で過ごしていた。


映画を観た後、何食わぬ顔をして帰宅する。


『真理ちゃん!お帰り〜!残業お疲れさま!』

『ぁ…た、ただいま。』


健太郎には、残業をして帰ると伝えてたんだ…

少し罪悪感…。


『ご飯あるよ!先、お風呂にする?俺、入っちゃったからさ。』


『うん、先お風呂にする。』

あたしは、お風呂の準備をしてバスルームに向かった。



『はぁ〜。』


浴槽に浸かり、天井を見上げた。

健太郎についた初めての嘘。
満たされない欲求を優勢したあたし。