「教師を守るのが校長の仕事だ。今すぐ態度を改めたらどうだ」
「僕はね、君達のことを教師だと一文字も思ったことはないよ」
「な………」
「だって、あんなクソみたいな生徒を手なずけられない教師など、存在理由などないじゃないか。教師はどんな生徒でも学校にこさせて勉強を教えるのが存在意義なのに、お前らはそれに失敗した。そんな輩を教師と思えるだなんて甚だしいな。お前ら」
ぐうの音も出ない正論をかまされて、息がつまったから故。
いてもたってもいられず俺は外に飛び出した。
俺は確かに、ずっと教師では無かったのかもしれない。
見下したり、先回る手を打てなかったたり。
そんなあやふやな感じで、今日今までを生きてきた。
それは教師として。
だけど………だけど、これ以上どうすればいいっていうのだろう。
だってもう、やることは無い。
人が挫けて、歩けなくなった時結局、頼れるのは自分しかいないんだよ………勇気。
仲間が倒れてるんだ………俺を助けてくれよ。
学校に来てさ。
もう十分、助けてやっただろ……。
自分で歩こうとしない限り、立ち直ることなんてほぼ不可能だ。
俺は、お前の為に、家庭訪問だったり、保健室登校だったりを勧めた。
3人の提案だったけど、精神科に行く手続きだって進めたんだよ。
もう何ができるんだって。
この俺に。
何もかもが嫌になって、雨の中降りしきる街を歩いていた。
無理難題を押し付けられ、頭が痛い。
対応しても、対応してもその先にあるのは、絶望的な理不尽な要求ばかり。


