「違うよ。お前のせいじゃない」



そう言い聞かせてしまいたいのは、俺の方でもあった。




俺だってこんな結末、嫌だった。



でもこれは、現実に起こりえてしまった。



世の中には、悲しいことだってあるに決まってると、立ち直るしか無い時だってあるんだよ。




「もう、もう、限界や………修、お前の気持ちやっとわかったわ………」




フラフラと屋上のフェンスに手をかける。




「何するつもりだ!?!」



「もう、ワイ教師辞めようと思う」



「だから………だからって死ぬことないだろ!!!」



「違うわ………教師を辞めることを許さないっていうんやったら………ワイ死ぬわ」



「どうして………どうして………」




「もう、無理やねん。俺は生徒達をいい方向に導いていくために、授業をやってきたつもりや。でもな……でもな……こんな結末になるなんておもいもせんかった。これじゃ、殺人鬼を育ててるんやないかって思うとーーー」




フェンスを飛び降りてーーー、一瞬早羽の体が浮いた。



そして、口元が動いて「耐えられない」と。




駆け寄って、手を差し伸べたが真逆に落ちていく早羽。



俺が絶叫を叫ばずにいられなかったのは、容易いことではなかった。