松阪の家族が殺された翌日。
学校にマスコミが殺到。
すぐさま休校に。
教師達は集まって、会議になった。
だが、結論は出ず皆言葉に詰まるばかり。
ただ、雪という圧倒的権力に怯えながら。
その中でも最も震えていたのは、早羽だった。
昨日の話を、警察直属から聞いたのだろう。
顔が真青担っており、体調が悪そうだ。
休めばよかったのに、どうしてきたのか。
それに、松阪は学校を休学になってしまった。
それくらい精神的なショックを受けてしまいまい、立ち直れないとの事。
続々と会議が終わりを迎えると、教師陣たちはそれぞれの職員室の椅子に座り込む。
雑談が繰り広げられないくらいに、不気味な職員室。
生徒達は居ないし、見苦しい空気が包む。
ふと視界が揺れたような気がして、隣を見る。
早羽がふるふると身を震わせて、ペンを握りしめていた。
テストの解答用紙の採点をしていたのだが、その手は動かず止まっている。
心配に思い、早羽を呼び出し中庭に呼び出した。
手を引いている最中も、顔が引っ張られるように重く、彼らしくない。
「どうしたんだよ?」
「どうしたも、こうしたもない。昨日………嫁と喧嘩したんや」
「嫁さんと?」
「あの………警察さんのせいや!!」
気が動転しているのだろう。
人のせいに最近しすぎている彼は、疲労困憊状態。
「辞めろよ。警察のせいじゃないだろ。状況を詳しく話してくれ」
「昨日、あの輩が俺の家に火をつけようとしたんやろ?その話を、家に帰ってきた後警察がやってきて、嫁と俺の前で話されたんや」


