「でもね、嫁さんがーーー「お父さんはお仕事だからわがまま言わないの」って、止めてくれて。だから僕、そのまま甘えて外に出て、暫く考え事して帰ってきたらーーーそしたらーーーそしたらっ!!!」




壊れ狂ったように、笑い出した。



壊れたようなピエロ。



残酷さを知り尽くしたような、悲しい笑い声。



早羽が直ぐ様、逃げ出した。



急いで後を追う。




「待てよっ!!早羽!!落ち着けって!!!」




「あかん………やっぱり、あかん!!!」



取り乱して、過呼吸になり始めた早羽。



そこへ駆け込んできた、警察官が。



急いで対処してくれて、早羽も横にならさせてもらった。



全身から滝のような冷や汗が湧き出る。



ーーー何だか、人生全ての不運を凝縮したような最悪な一日だ。



目を閉じていたら、また警察官に呼ばれた。




もう何だというのだろう。



もう話をしたくない。



「実は……お話したいことがありましてーーー」




「なんですか?」



「早羽さん………でしたよね?さっきの倒れた方」


「そうですが………」



「実は、もう実行犯達は我々で捕まえたのですが………どうも話している内容が、早羽さんのお宅にも火をつけようとしたみたいで」



「え?」




「権力がないような気がする松阪さんのお宅に火をつけたんだと………豪語してて………どうします?今話しますか?」



「……少し時間をください」




そう言葉を絞り出すしか他なかった。