放課後。



学校の体育館は思った通りに占拠され、続々と生徒達が集まっていた。


ノリで集まっている輩が多いから、風紀は荒れまくっていた。



そんな状況をみないふりをしている教師達は、やはり雪に逆らえないのだろう。



怪しい大人達もバックにいるし。



沢山の見ものにした生徒達の中心に雪は立ち言った。



ーーー松阪を今後、ジョーカーとして役目を果たしてもらうーーー



そう彼の口から、直属に告げられた。




息の根が止まるとは、この事だった。



まさか………アイツが……?



「どうしたらいいんや、ワイら………」



そんな呆然とする俺たちを差し置いて、次の日から松阪は標的になった。



俺達はできる限り松阪の隣にいて守ってやったりはしたのだが、松阪の授業中には水をぶっかけられ。



荷物置き場には生ごみなどが捨てられ、揚げ句の果てには靴箱に画鋲が入っていたことも。



末恐ろしい光景だ。



そんな状況にも関わらず、松阪は学校に来る足を止めなかった。



それも、自分の顔の笑顔が引きつるまで。




「松阪………もう、学校辞めたらどうだ?お前には、守るべき家族がいるはずだ。こんなに傷ついたらお前が今度は持たなくなる」



職員室でさえ、いじめを受けてコーヒーを資料にぶちかけられた後始末をしている松阪に俺は声をかけた。



「………僕は、大丈夫だよ」




「何が大丈夫なんだよ……」