俺は松阪と同じ様な考えに触れたいと願ったからこそ動けた。
あんな自分の事しか考えられない、身勝手な俺とは違って。
どんな弱い生徒にも、仲間はずれにすることなくに接する事ができる、皆の頭の中にいる先生になりたいと。
そう、心に染み込んできたんだ。
「どうしたら、あんな生徒を思うアイデアが浮かぶんだろう」
そんな、悔しい気持ちも混じって。
一言まとめるように、松阪は言ったのだろうが。
きっと嘘なんだろう。
彼なりに勇気について悩んで、いたのだ。
やっと俺にアドバイスできる瞬間を探って、ゆずってくれたのだ。
気を使って。
「俺はそんな事が出来るお前が、羨ましいよ」
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