勇気の歌(Summerloveの前の話)


「だとしたらなんだ。お前の事を俺が嫌っていたと知っていて俺が助けないわけには行かないだろ?」



「今までほったらかした分際で、なんだか偉そうだね。一ヶ月も僕の事を放置していたくせに」


「お前……ええ加減にしたらどうや!!どれだけ先生達困らせればええねん!!」



鬼の形相で勇気が振り向き、マウスを投げた。



目が純血しており、真っ赤。


何日も寝ていないような目のあざが目立つ。



「僕の気持ちなんか………僕の気持ちなんか………先生や周りの人達以外分からないよ!!!!っていうか、分かろうとしなかったくせに!!!僕に指図しないでよ!!!!」



ドンッと地団駄を踏む勇気は、荒々しくなりすかさず俺は止める。



「もう………わかったから。落ち着け!!まず水を飲め。話を俺は聞いてやるから」


暴れる勇気を抑え込み、ゆっくり抱きかかえてやった。



そうでもしないと、黙らなそうだったから。



「お前の事、正直嫌いだ。言ってやろう。でもな教師っていう生き物は、そんな生徒でも見捨てることが許されないっていう契約の元で働いてるんだ。お前もいい加減、分かってくれよ」




髪を掴み、「煩い!!!」と打ってきた。



ヒリヒリとする痛みを抑えて、しっかりと前を向く。



「僕の事をほっておいたくせに!!!逃げたくせに!!」



「なら、周りの教師達は、お前を退学にさせようとしたのか?」