勇気の歌(Summerloveの前の話)


そこで始めて、母親は目が覚めた。



好みだと家族が壊れてしまうと、夫からの洗脳が解けて離婚を決意。


2人は勇気にきずかれないように争った後、無事に離婚したのだがーーー。



「勇気が中学二年生の頃です。離婚が成立して慰謝料を貰う約束に、夫から「勇気を障害者として認めないこと」という条件があった事を………私自体が忘れていてーー嵌められてしまった」



別れていた当初、母親は仕事がなくお金も一文無し状態だったゆえ、生活保護を受けようにもこの有様。



仕方なく父親の条件を飲む為に、障害があることをずっと隠して生きていた。



勇気が中学3年生になった頃、2人は精神的にボロボロ。



母親も軽度の知的障害があることが発覚し社会から外れた者同士。



「勇気の学校での成績は、ほぼと言っていいほど2、3。でも障害があることを認めれば父親からの支援は受けられずーーーだからといって私も仕事が完璧にできるぐらいの容量は持ち合わせていなくって………」



結局勇気を支援学校にいれるのを断念して、この我が底辺高校へ転がり込んだとのことだった。



ーーーだけど。



「このとおり………不登校になってしまって………。一体、私はどうしたらいいのかわからない………!!私だって、慰謝料貰わなくていいように働いてるけど………上手くいかなくて!!」



「先ほど俺達の無礼を………許してください」