「あの校長先生は僕達三人に当たりがキツイのはもちろんのことなんだけど………他の先生にも試すような事をしてるんだ」
「あのな陸斗……もうちょい詳しく言わんと、確信だけで話されても、モヤモヤするだけや。そう思う理由を話してくれ」
「前に珠理奈先生と金田先生っていう学校の先生がいたよね?」
珠理奈と金田ーーーそれは半年前に学校にいた同僚であり、俺達よりも派手で全生徒にも絶大な支持を受けていた二人組の男性教師組だった。
もちろん二十代ともいえる若さで、容姿端麗で優秀な彼らは教師陣からも慕われていた。
なんなら俺も慕ってはいた。
「でも、ある日突然解雇になったでしょ?理由知ってる?」
「それはーーーワイも分からん。なんでや?ずっと不思議に思っとったんや?」
まず、今の勇気の家庭訪問と何か関係があるのかと問い詰めたくなったのをぐっとこらえて。
「解雇される1週間前に、いじめゼロ活動という職員会議があったのは知ってる?」
「あぁ、あったな。確か金田と珠理奈がプレゼンするはずだったけど急遽俺達が変更するってなったやつ」
「確かに資料を金田先生と珠理奈先生は作っていたんだけど………何者かに資料を盗まれて前日にビリビリにされるっていう事件が起きてたんだ」
「「へ?!」」
驚いたのは、それだけ2人は信頼されていた先生だった故に悪い噂などを聞いたことがなかったから。
「それでどうなったんだよ?」


