だが友香は成長した。



今ではボディータッチはしてこないし、半径1メートルぐらいの距離は取ってはくれている。



その成長あってか、野球部の監督に頭を下げてはみたらしい。


だが、サボった結果が回ってきたようで、世間は手厳しい。



結局、知らんぷりを決められてしまうとの事。



下級生のマネージャーには笑われ、変な噂を立てられ、いずらいらしい。




こういってはなんだが、少し気の毒だ。




大学の夢はやぶれてしまい、話は無かったことにもなってしまって。


やっぱり父親が今でも逃走中というのも、デカいのだろうか。






「お前には、隼斗がいるだろ?そいつの為に、頑張れよ」




「私がアイツにしてやれることってなんなの?」




「それを今から考えながら、やっていくしかないだろ。目の前の事から逃げるな」

「じゃあ、キスしてくれたらしてあげる!!ほっぺに!!」


「お前と浮気をすることはない」

「むーー!!」



ふてくされたように、職員室のソファーに沈み込む。



全く手のかかるやつだ。



でも、巻き込んでしまった俺の責任もある。



強くは、言えない。


だけど友香は、禁忌の距離から近寄ってきて使っていたマウスを奪った。



周りの目も点になる。


「な……何するつもりだ!!」


「なら、私学校辞めちゃおうかな!!この際嘘じゃなくて」