「どうして、嫌いにならない?」
「アイツの言う事も、あってるからーー」
子供が楽しそうにこちらに寄ってきた。
お話したいと無邪気にこちらに歩いてきたのだ。
今近寄ったらまずいと思って親を見ると、寝ている!?
「ビール。
お待たせしました」
冷えた氷のようなグラスに目が点に。
おでこに芋虫のような、太い腺が浮かぶ店主が。
「あちらにお子様がいらっしゃいます」
ゴウゴウと燃える、店主。
「す、すいません。
口に気をつけるわ………二度と言いません」
席を外した店主に惹かれる子供。
俺は胸を撫で下ろした。
「馬鹿野郎」
「すまん、すまん………って、子供は向こうが悪いやろ!!」
「教師なんだから、しっかりしてよね最低だよ。
子どもの前で!!」
一瞬しゅんとした早羽だったがーー。
立ち上がり。
「でも何やか、俺と嫁の関係を馬鹿にされた気分や………一発ぶん殴ってくるわ!!」


