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……いつだって“お父さん”だったから。
仕事にやりがいを感じ始めたのは翠が産まれる前からだった。
女が最前線に立つのはまだどこかで偏見があって難しく、そんな中で私は生き残って戦っていた。
だから仕事にも早く復帰したくて、産休も他の家より短かったはずだ。
翠の父親と結婚して、良かった事なんて無かったかもしれない。
家事が苦手な私に代わって、気付けば翠の育児もあの人がやっていた。
私と居るよりも笑顔で、楽しそうにしているのを見て複雑な感情が心を覆う。
あの人が悪いわけじゃないのに。
それを全て私は仕事でかき消していた。
あの人の多額の借金が発覚したのは翠が産まれてから6年経った時だった。
温厚だったはずのあの人と毎日のように言い合いするようになり気付けば離婚が決定。
親権は迷いなく私が取った。
『お父さんは?』
離婚してから翠はずっとあの人を探していた。
慣れない家事もやってみたけれど、なかなか上手くいかず毎日コンビニ弁当。
家事と仕事の両立は私にとって厳しいもので、ストレスが溜まる一方だった。
……いつだって“お父さん”だったから。
仕事にやりがいを感じ始めたのは翠が産まれる前からだった。
女が最前線に立つのはまだどこかで偏見があって難しく、そんな中で私は生き残って戦っていた。
だから仕事にも早く復帰したくて、産休も他の家より短かったはずだ。
翠の父親と結婚して、良かった事なんて無かったかもしれない。
家事が苦手な私に代わって、気付けば翠の育児もあの人がやっていた。
私と居るよりも笑顔で、楽しそうにしているのを見て複雑な感情が心を覆う。
あの人が悪いわけじゃないのに。
それを全て私は仕事でかき消していた。
あの人の多額の借金が発覚したのは翠が産まれてから6年経った時だった。
温厚だったはずのあの人と毎日のように言い合いするようになり気付けば離婚が決定。
親権は迷いなく私が取った。
『お父さんは?』
離婚してから翠はずっとあの人を探していた。
慣れない家事もやってみたけれど、なかなか上手くいかず毎日コンビニ弁当。
家事と仕事の両立は私にとって厳しいもので、ストレスが溜まる一方だった。

