「八代さんと羽場さんって、理人さん達とはどういう関係なんですか?」
「……」
ソファに座ってクッションを抱き寄せながら聞いても、理人さんは無言のままだった。
…というか、どう言おうか迷っているようだった。
「……保護者、みたいな」
「保護者」
「よくしてくれるんだよ。俺にも、あいつらにも」
「へぇ、家族みたいな人なんですね」
「まぁ、そうだな」
ソファに座る私の隣ではなく、少し離れたカウンター席に座った理人さん。
隣に来てほしい、なんて言葉にする事は出来ずに黙っていると理人さんはテレビをつけた。
「……さっきの電話の友達。仲良いの?」
「はい、幼なじみなんです」
「怒られた?」
「ちょっとだけ」
「自分の為に真剣になってくれる奴は大事にしろ。経験上、だいたいそいつは良い奴だから」
「凄い…。年上って感じの言葉だ…」
「お前は俺に対する尊敬度が足りねぇんだよ。敬え、年上を。崇拝しろ」
「えー、無理ー…」
「何だと!?」
小さい音量で流れ続けるテレビは私達2人にとって心地良いBGMになっていた。
バラエティ番組が終わった後すぐにドラマが始まった。
しんみりとした空気が流れ始めた頃に理人さんはカウンター席から私の隣へと座った。

