八代さん達が帰った後、空いたカウンター席に移動した私達。
私を挟んで左には奏汰さん、右には理人さんが座った。
「スマホ出せよ」
「え」
「連絡先、交換しといた方がいいだろ」
嫌がってたのは理人さんの方なのに。
理人さんのアカウント画像は初期設定のままでシンプルに《理人》という名前で追加された。
「…アカウントの画像設定しないんですか?」
「するような写真ねぇし」
「なんて寂しい……」
「あ"?」
それに反して奏汰さんのアカウントはバイクの画像が設定されていた。
ついでに俺も、と交換した朱音さんもカフェの店主らしくコーヒーカップの画像だった。
奏汰さんは土木屋をやっているらしく、朱音さんのお店が忙しい時はたまに手伝っているんだとか。
「んー、簡単に言うと現場系?毎日泥だらけだよ。一応シャワー浴びて来てるけど、汗臭かったら遠慮なく言ってね」
ご飯を食べ終わった後、お金を払おうとしたら朱音さんは「俺の奢りだよ」と言ってくれた。
お礼を言ってそのまま2人して再び2階へと上がった。

