しばらくするとさっき頼んだご飯を朱音さんが持って来てくれた。
「ありがとうございます」
「デザートにアイスもあるから、食べれそうだったら言ってね」
「…俺には?」
「はいはい、理人にもあるから」
お茶漬けは出汁のいい香りがして美味しそうだった。
お茶漬けを食べていると奏汰さんが「あ、そうだ」と声を上げて私の方へ振り返った。
「翠ちゃん、雨の中店の外にずっと居たんだって?」
「お恥ずかしながら…」
「なんだよ、連絡してくれれば良かったのに!俺、連絡先渡したよね?」
「連絡先……、あ!」
そういえばこの前タクシーで送って貰った時にポケットに番号が書かれた紙が入っていたんだった。
その後確か連絡先追加したんだった…。
「てか、俺に連絡すれば良かったんじゃねぇの?」
「……はい?」
ん?という表情をした理人さん。
一体何を言ってるんだこの人は。

