「ごめんね、翠ちゃん。お腹空いた?何か食べれそう?」
「あ、えっと、このお茶漬けで…」
「梅と鮭があるけどどっちにする?」
「じゃあ、梅で」
「了解。理人は?」
「チーズドリア」
見知らぬ2人の男の人に戸惑いながらメニュー表にあった物を頼むと「ちょっと待っててね」と爽やかな笑顔で朱音さんがカウンターへと戻って行った。
「理人さん、あのお2人って常連さんなんですか?」
常連さんというより、なんか雰囲気が周りと違うというか…。
「お前は知らなくていい」
帰ってきた時よりも不機嫌になった理人さんに困っているとカウンター席に座っていた男の人が「はぁ?」と声を上げた。
「理人!ちゃんと俺らにも紹介しろ!」
「うっせぇ、黙れ」
「んっとに、一体誰に似たんだよお前は!」
その席に座ったままくるりと私の方に向いた男の人。
理人さんと接する時とは違い、優しい笑顔に変わった。

