階段を降りた先はカウンター内へと繋がっていた。
朱音さんがグラスを拭きながら誰かと話している後ろ姿が見えた。
「朱音ー、腹減ったんだけどー……って、」
「よぉ、理人」
ニヤニヤと笑いながら手のひらをヒラヒラさせる男の人とその隣には奏汰さんが座っていた。
「あ、翠ちゃん久しぶりー!」
「え、ぁ、お久しぶりです」
「えっ?じゃああの子が噂の翠ちゃん!?」
常連さん、なんだろうか。
凄く仲が良さそうに見えた。
…1人を除いて。
「…なんで居るんだよ」
「はー?なんだよ、俺が居ちゃ駄目なのかよ」
悲しいなぁ、とわざとらしく理人さんを煽っているのが分かった。
カウンターから出て理人さんと一緒に2人席へと座ると、トイレからまた別の男の人が出て来た。
「は、嘘だろ。なんで朔良さんまで…」
「久しぶりだな、理人」
「どーも」
背の高い男の人は先程理人さんに手を振っていたお客さんの隣に座った。

